2004年に日本で初めて景観に関わる景観法が制定されました。
その基本理念において「良好な景観は国民共通の資産」であると位置付けられています。
景観を構成するのは、人工要素(建物、道路、橋など)と自然要素(樹木、土、海川など)があり
それらの全てに色彩があります。
色彩は単独で存在するのではなく、周囲の色彩と共存し影響を与えあいながら景観を形成しています。
さまざまな色が共存する環境においての色彩計画をご紹介します。
公共の建物、施設、学校などは多くの人が集まる場所。地域の人々が心地よく、安全な色彩計画が必要です。
そのための色彩計画は。。。。。
共感する色彩 見慣れた色彩
地域色 地域らしさを表現
建物の目的にあった色彩
見慣れている色はその地域の多くの人が共感できます。
都市型はグレイッシュな色彩。
都市近郊型は明るいナチュラルな色彩。
日本伝統の地域は低彩度のモノトーン
自然豊かな地域は暖色系、などそれぞれの地域で街の色彩が異なります。
都市型
都市近郊型
自然豊かな地域
地域には特有の色があり、その地域らしさを表現します。
それは、自然環境、歴史、文化によって作り出された色があり、
また、気候条件(照度、湿度)などにより異なります。
例えば、乾燥地域ではクリアな色、湿度の高い地域ではグレイッシな色を
晴れた日が多い地域は清色(澄んではっきりした明るい色)を曇った日が多い地域は中間色(灰味含んだ色)を好む傾向にあ
ります。
歴史的な街並み(モノトーン コントラスト配色)
華やかな色彩の街並み(高彩度色)
伝統的な街並み(低彩度色)
公共の建物、施設、学校など目的に合わせた色彩,
また、多くの人が集まる場所なので、安全性を考えた色彩、高齢者,乳幼児の色の見え方などの計画が必要です。
そして、建物の目的に合わせたイメージの言葉を集め、それに合わせた色彩計画を立てていきます。
例えば、「安らぐ」「自然な」「落ち着ける」「楽しい」などのイメージ語には暖色系、中間色
「都会的」「シック」「人工的」などには低彩度、コントラストをつけるなどの配色
景観色彩を考慮しつつ、その地域で目立たせるのか、環境に馴染ませるのかも周りの色彩環境によって変わります。
「温かみのある」「和やかな」「親しみやすい」施設の色彩
イメージ語と配色技法
イメージを作るには基本的な色の使い方があります
イメージの言葉を色彩で表すためには
色彩調和論に基づき色彩計画を立てていきます。
個人的な建物でなく、多くの人にイメージを伝えるには
色彩調和技法が必要です。
建物のイメージ語に合わせた色彩計画を立てます。
「シック」「ナチュラル」「ヨーロッパ風エレガント」「親しみやすい」など
イメージ語に合わせた色彩技法を用います。
また、内装色彩での注意点は、「色味」に気をつけることです。
床材に木材を使用した時、木の「色味」が黄色味かかっているのか、赤味かかっているのかで空間全体の色彩コーデネートが
異なりイメージが大きく変わります。
床材の色味で室内ドア、壁の色、インテリアの色など選び方が違ってきます。
「赤」でも青みがかったクールな赤と黄色みかかった暖かい赤ではイメージが全く異なるからです。
高齢者や乳幼児、ユニバーサルデザインの色彩にも考慮します。
内装の色彩には、「わかりやすい」「迷わない」サイン(案内表示)の色彩計画も必要です。
明るくモダンな空間が希望」という依頼に
どのような色彩を提案しましょうか?
床の色は?インテリアの色は?アクセント壁の色は?
・床の木材の色は、全体のイメージに大きく作用します。
・木の色は、赤みがかったもの、黄色味がかったもので床以外のコーディネートに大きく作用します。
また、イメージ作りは「色」だけでなく、「形」「素材」です。
色の好みは十人十色と言われます。個人の好みで好きな色を使うのは楽しいもので、心理的にもあなたがその色を欲しているのだと思います。
でも、色を商業的に使う場合、あなたの好みだけでは、お客様に納得いただくプランはできません。
色彩調和論に基づいた好みだけでない、きちんと説明できるプラン作成をしてはいかがでしょうか。
各種学校、老健施設、商業施設、街並みの色などに対応しています。
講座内容
・色の基本
色味(色相)色の明るさ(明度)色味の強さ(彩度)の基本を知っていただく講座です。建築の色を扱うときに、中間色(濁色系、グレー味がかった色)の知識が特に必要です。
・色彩調和論に基づくカラーコーデイネート方法
色は1色で成り立つものではありません。赤い色を使ったとき、ベージュを合わせるか、グレーを合わせるかでイメージが全く異なります。また、ポイントに赤を使う場合、青みがかったワインカラーと黄味がかった緋赤色では、部屋全体のコーディネートが大きく変わります。「これ」知っておくとコーディネートに大きな差が出ます。
・地域色
多くの人が集まる場所では、地域の方に好まれる建物が必要です。東京、大阪、京都、福岡などでは太陽光の色、湿度の違い、文化により好まれる色が異なります。
・高齢者の色の見え方
高齢者の方の色の見え方は、赤みはきれいにみえ、青系はくすんで見えるなどの特徴があります。また、安全対策のための色使い方法もあります。ユニバーサルカラーについても講座に含みます。
・街並みに沿った建物の色
その街並みで、建物を目立たせるのか、自然に馴染ませるのか。街並みの色をデータ化し、目立たせる、馴染ませるのか建物の色を図っていきます。また、各地域に色彩条例があります。記載されている色番号(マンセル値)に沿った色彩計画の立て方です。
・日本の伝統色
和風の建物 素敵です。建物のエントランス、ロビーなどを雅(みやび)なイメージにする。または粋(いき)なイメージにするなど色の使い方には方法があります。
日程などお問い合わせください。